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ゆっくりしていきんちゃい

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今日も図書館に行き、二階に上がって右手の部屋の窓際の左隅の一人机に座る。今日は平日で雨が降っているからか誰もいない。
僕は机にカバンを置いてから、勉強の合間の気晴らしに読む本を2つ選んだ。
今日は『ボブディラン歌詞全集』と『水木しげる妖怪絵巻』。
これといって意味はない。ただ好きなだけだ。
50分勉強をして10分の休憩を挟む。その3set終えたくらいにお昼のチャイムが鳴った。
今日は来るときに弁当を買っていたし、雨がひどかったから隣のビルの一回で食べることにした。
食べてる途中、もう60歳手前くらいの叔父さん2人が大きな声でしゃべっていた。興味がなかったので、何をしゃべっていたかは分からないけど、『常識と非常識』という言葉だけは耳に飛び込んで来た。
弁当を食べ終えて、図書館に帰る途中、勉強の合間に読んだ『ボブディラン歌詞全集』の影響のせいか、少しずつ言葉が浮かんで来る。その時の俺は、彼の独特の「満たされない誠実な欲望の世界」に足の先から髪の毛の先までそのどんよりとした空気に浸かっていた。それは過剰な自己嫌悪の反発力と適度の孤独感が僕の心の奥底を心地よく整えてくれてるようだった。
踏み出した一歩が地面にうまく着地するまでの一瞬がとても長く感じる。でも周りの景色を細部まで見渡せる。子供の時に経験した高い滑り台から落ちた瞬間も確かこんな感じだったような気がする。まさにスローモーションの様な感じ。

息が詰まりかけるように気が付くと階段を登りきり二階に立っていた。
俺は机に座り、シャープペンシルを持った。
さっきの空気を払いのけるようにため息をつき、シャープペンシルの芯をカチカチと出して、次の問題を読んだ。
「次の熟語の対義語を書きなさい。」

…『常識』

回答欄に『非常識』と書いた。

窓の外はまだ雨が降っていた。


「 下っていく。下っていく。 誰もかれも下っていく。理由なんてないさ。 生まれたらみんなそうなるさ。 気が付けば土の中。 逆らって上がろとするヤツもいる。 でも少し上る事ができたって終着駅決まってる。 派手に転げ落ちてくる。 それを見て、下るだけの無傷のヤツらは笑ってる。 指差して笑ってる。 臆病者は数を増やしてルールを決める。 はみ出さなくても怪我しなくてもいいように。 でも誰もかれも生きることは一度きり。
だから僕は行かなくちゃ。
だから僕は行かなくちゃ。 」

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