君に会いに行く途中。

駅のホーム流れ込む人ゴミ
揺るぎない流れの中
誰もがうつむいてた

もし『くだらない』と
立ち止まれば
明日が変わるかもしれないのに

呼吸を止めるほど
勇気はない
死ぬ時痛いのかなとか
考えるから

見て見ぬフリするこの街に
何もなかったように
朝が来る。


それでも少年は、そこにいた。


少しの幸せが大切と
よく見上げたこの空も
前習えの常識が
あっという間に狭くした
何かにすがるものさえない
ただ認めてくれる優しさ欲しいくて

華やかに染まる夜

愛に似た嘘に
身体さえ空け渡した
泪と交じる喘ぎ声

聞いて聞かぬフリするこの街に
何もなかったように
朝がきた。


それでも少女は夢の中。


生きる生きないそれだけじゃない
でも、全てを否定なんかできやしない

信じる信じないそれだけじゃない
でも、大切なものもきっと少ない

それでも、誰かを強く想えてたりする。

それでも、自分の気持ちを伝えたくなる。

だから今、君に会いに行く。

横断歩道白いとこだけ踏みながら。

ポケットの中
一つだけ入ってた
君がくれたキャンディーは
ほんのり甘いミルク味。

だから大切な事は、

僕は今、
君に会いに行く途中。

夜の散歩道。

冬の季節。
日はあっという間に暮れ、
当たりは暗く、夜へまっしぐら。
足音は響く。
闇の向こうへ。
それは、つまり
足跡を残す。
闇の中に。

君は笑う。
声が響く。
たまに手をつなぐ。

暗闇深い夜でさえ
怖くなんかない。

照れ隠し冗談で曖昧に。
それは、つまり

本当に愛を語りたいだけ。


君はいる。

僕はいる。

長い夜に君といる。

明日、朝来ても
君がいて。

神様はもういないから
君に祈るだけ。

僕の側にずっといて。